【感想・レビュー】Loretta(ロレッタ)

こんにちは、まよねーずです!

早い人はもうこの3連休から休みに入っているでしょうか。僕は暦通りの休みなので、平日は仕事です。

1週間丸々の大型連休もいいけど、こうやって分散された連休も好きなんですよね。大型連休あっても実家に帰省しないとロクな予定もないので、その分休みが分散されている方が良いなって思います。

とりあえずこの連休中にメジャータイトルとインディータイトル1本ずつクリアできたので、次の4連休はまた新しいタイトルをプレイ予定。何やろうかなぁ。

ゴールデンウイークは特に予定もないし自宅でのんびりしてようとお考えのそこのあなた。のんびりゲームなんてどうですか?楽しいよ。

さて今回は殺る気スイッチ全開主婦が繰り広げるサイコスリラーなアドベンチャー「Loretta(ロレッタ)」です。

本作は暴力シーンやそれに付随した表現が多いため、苦手な方はご注意ください。

Sponsored Link

作品について

開発元Yakov Butuzoff
Daria Vodyanaya
リリースプラットフォームSteam、PS5、Switch、Xbox One、Xbox Series X|S
価格Steam:¥1,700
PS5:¥1,650
Switch:¥1,650
Xbox One、Xbox Series X|S:¥1,750

本作は個人製作者であるYakov Butuzov氏とDaria Vodyanaya氏が手掛けた作品です。映画史上最も影響力があり「スリラーの巨匠」「サスペンスの神様」と呼ばれた、アルフレッド・ヒッチコック監督作品と、「ホラーの帝王」と呼ばれた作家スティーブン・キング氏の作品にインスパイアされた作品とのことです。

僕はヒッチコック監督作品は観たことはないのですが、スティーブン・キング氏の作品はいくつか本で読んだり映画で見たことがあります。本作はそれらをインスパイアしているということで、よくあるホラーとは違ったメンタルに来るホラーが楽しめそうです。

2023年2月にSteam版で初回リリースされ、そこから1年と少し経った2024年4月11日に家庭用機版がリリースされました。

ちなみに今回はパブリッシャーであるDANGEN Entertainment様より、Switch版をプレイする機会をいただきました。DANGEN Entertainment様、いつもありがとうございます。

ストーリー、ゲーム内容はどんな感じ?

自らの人生に絶望した主婦の中に芽生えた狂気

本作の舞台は1947年のアメリカ。作家であるウォルターを夫に持つ主人公ロレッタは、華やかなニューヨークの街から、のどかな田園風景が広がるアメリカ南部の田舎の農場へと引っ越しました。

ロレッタとウォルターの関係はニューヨークにいる頃から夫婦の関係は冷めきっていました。そもそもニューヨークから田舎に引っ越したのは彼がギャンブルで作った借金が原因だったからです。

田舎に越してからウォルターは作家として成功するも、ギャンブル癖は治らず生活は困窮するばかり。さらにはウォルターはマーガレットという女性と不倫していたのです。

そんな絶望的な生活に嫌気が差していたロレッタでしたが、ローンの申請のために訪れた銀行で、衝撃の事実を知ります。

ウォルターが所属する出版社はウォルター自身に、3万ドル(現在の日本円にして470万円くらい。当時の額ならもっとかもしれません)という生命保険をかけていたのです。

しかしウォルターはそのことをロレッタには話してくれていませんでした。それがさらに彼女を苛つかせます。そして銀行を出た先には夫の不倫相手の姿が…。

そんなことがあった帰り道、立ち寄った給油所で彼女は、お試しと称してネズミ駆除に使用する殺鼠剤を手に入れます。それを手に入れた時、彼女の中にある一つの計画が浮かびます。

それは「夫を殺害し手に入れた保険金で、今の最低な生活とおさらばする」という恐ろしい計画…。人生の絶望した一人の女性に芽生えた狂気はこの先一体どうなっていくのでしょうか。

現実世界と狂気に染まった心の中を行き来するアドベンチャー

本作は主人公であるロレッタ(たまにそれ以外の人物)を操作して進むアドベンチャーです。映画のような雰囲気を存分に感じさせてくれるドットグラフィックが美しい作品で、非常に見ごたえがあります。

様々なロケーションを移動して、場所場所にある様々なものを調べたり、登場人物との会話の中に出てくる選択肢を選んで進行していきます。

また、所々でロレッタの心の中を表現したマップに切り替わり、白い点を操作して様々な謎を解くパズル要素もあります。

ロレッタを操作して色々な場所を探索できますが、そこまでアクション的な操作が求められることはありません。ただ、たまにちょっとしたミニゲームが入ることもあります。

良かった点

プレイヤーの選択次第でロレッタの行動が変化する自由度の高さ

アドベンチャーにとってストーリーはかなり重要な要素だと思います。本作も例外ではなく、やはりストーリーが一番良かったです。

主人公であるロレッタの狂気はかなりのもので、プレイヤーの選択によっては様々な人間を容赦なくその手にかけることができます。というのも、選択肢を選んでそういう展開になるというものではなく、彼女に狂気の選択を迫る「道具」がそこかしこに散らばっているのです。

台所に無造作に置かれた鎌や殺鼠剤もそうですが、義理の娘に「髪を切ってほしい」と頼まれれば、髪ではなく頸動脈にハサミを立てようとしたり…あからさまに彼女の殺しを助長するポイントが多いです。

しかし、選択肢によっては誰一人殺すことなく進行させることも可能です。それだけではなく誰を殺して誰を生かすかもプレイヤーの思いのまま。

ジャンプの人気漫画である「鬼滅の刃」では、富岡義勇が主人公の竈門炭治郎と初めて出会った際「生殺与奪の権を他人に握らせるな」と言うシーンがありますが、本作では登場人物の生殺与奪は完全にこちらが握っている状態です。

ロレッタを狂気の殺人鬼へと仕立て上げるか、一人も殺さず物語を終えるかはプレイヤー次第。そんな自由度の高さが個人的には良かったです。

衝撃的などんでん返しはないがいい意味で想像を裏切るストーリー

本作を冒頭だけプレイすると「だらしない夫にしびれを切らした妻が夫を殺害するもそれがバレないようあらゆる手を使って隠ぺいする物語」だと思います。

これなら大体想像がつく物語です。しかし物語は、何やら想像とは違う方向へと進んでいきます。基本はロレッタの狂気を描いた物語ですが、それだけでは終わらない話が隠れているのです。

この物語にどんな秘密が隠されているかはぜひプレイしてみてほしいです。いい意味で想像を裏切ってくれると思います。

「え、マジで!?そんなことになっちゃうの!?」という衝撃はありませんが「あ、その展開は意外だったわ」と思うくらいには楽しめるはずです。

気になった点

途中途中に入るパズル要素の必要性がわからない

意外な展開や自由な生殺与奪を楽しめる作品ではありますが、所々に入るパズル要素の必要性がわかりませんでした。

おそらくロレッタの心を表現しているのだと思いますが、パズルを揃えたり四方八方から飛んでくる文字を壊したりと、よくわからないことをやらされている感が強かったです。

まとめ

ここが良かった
  • プレイヤーの選択次第でロレッタの行動が変化する自由度の高さ
  • 衝撃的などんでん返しはないがいい意味で想像を裏切るストーリー
ここが気になった
  • 途中途中に入るパズル要素の必要性がわからない

人生に絶望した主婦の中に芽生えた殺意から始まる狂気のアドベンチャーです。アルフレッド・ヒッチコック監督作品やスティーブン・キング氏の書籍が好きな方はぜひ一度プレイしてみてください。

両氏の作品を知らない方でも、サイコスリラーなアドベンチャーが好きという方は楽しめる作品だと思いますので、気になった方はチェックしてみてください。

という訳で今回はこの辺で。
また次回!

Sponsored Link