【感想・レビュー】9Years of Shadows(ナインイヤーズオブシャドウ)

こんにちは、まよねーずです。

今月はメトロイドヴァニア強化月間か何かなのでしょうか。週1ペースくらいでメトロイドヴァニアがリリースされます。

10月26日はブラスフェマス2がリリースされ、先日9日には今回レビューする作品の家庭用機版が告知なくリリースされました。

そして今週16日に2作、来週21日には1作リリースされる予定になっており、続々とメトロイドヴァニアが登場します。

嬉しい話ではあるのですが、なるべく週一で記事を投稿しようと考えると、クリアが意外と大変だったりします。

そのためまれにいつもより更新が遅かったりすることあると思いますが、「メトロイドヴァニアの新作やってるんだろうな」と、寛大な目で見てやってください。

さて今回は、先程お伝えした突如家庭用機版がリリースされた、音楽、変身などの要素があるメトロイドヴァニア「9Years of Shadows(ナインイヤーズオブシャドウ)」です。

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作品について

開発元Halberd Studios
リリースプラットフォームSteam、Switch
価格Steam:¥2,300
Switch:¥2,300

本作はメキシコに拠点を置くスタジオHalberd Studiosが手掛けた作品です。2020年にKickstarterで資金を募り見事ゴールを達成。その後3年の開発期間を経て2023年3月28日にSteamでローンチとなりました。

当初は日本語ローカライズがなかったのですが、5月に日本語を含む6言語が実装され、日本語でプレイできるようになりました。Switch版はそこから約半年後の11月9日にリリースされました。

僕の記憶では2019年頃にはすでに発表されていたような気がするんですが、思い出せないため初出しはKickstarterということで落ち着きました。発表された頃からずっとチェックしていた作品、ようやっと家庭用機で遊べるようになったため、Switch版をプレイしました。

ちなみに本作を手掛けたHalberd Studiosですが、現在は「Mariachi Legends」という作品を開発中です。今回もメトロイドヴァニアということで個人的にはうれしいですね。トレーラーも公開されているので気になる方はぜひ。まさかの日本語音声によるトレーラーです。

ストーリー、ゲーム内容はどんな感じ?

色を失った世界で紡がれる女戦士とぬいぐるみの戦いの軌跡

舞台となるのは謎の呪いによって色を失った世界。9年前、突如呪い世界中に蔓延し、色だけでなく人々の平和も奪っていきました。主人公である女戦士エウロパも呪いによって両親を失い、この絶望の世界に残されてしまった者の一人。

彼女は呪いを断ち切るため様々な手立てを尽くしましたが、そのどれも実を結びませんでした。しかし、今回は呪いの元凶と噂される「タロスの城」と呼ばれる古城に足を踏み入れます。

タロスの城が呪いの元凶だという噂を聞きつけ、過去に何人もの人間が城に入っていきましたが、誰一人として戻った者はいなかったそうです。彼女も先達たちと同じ道を歩んでいますが、十分に力をつけた今、呪いの元凶となる城に挑みます。

城に到着したエウロパは城に巣くう怪物たちを倒しながら先へと進みますが、突如頭だけの大きな怪物に追いかけられます。なんとか逃げ切ったエウロパでしたが、進んだ先にある大きな昇降機の扉の前で大きな鎌を持った青い怪物に襲われ瀕死の重傷を負います。

自らの力不足を悟り死を待っていたその時、光を放つ1体のクマのぬいぐるみが彼女に近づいてきます。すると不思議と体の調子が良くなっていきます。そしてエウロパがぬいぐるみを抱きしめると、城の中に色が戻りました。

ぬいぐるみはアピノと言い、ぬいぐるみにはアピノの霊が宿っている様子。そしてどうやらアピノは彼女と共にこの城を探索したいと思っているようです。エウロパはアピノの癒しの力が助けになるため、共に城を探索することを決めます。

こうして1人の女戦士と1体のぬいぐるみ(中身は幽霊)は呪いを断ち切るため城の中を進んでいきます。果たしてこの出会いがこの城を、ひいてはこの世界を変えることができるのでしょうか。

アピノや鎧の力を使い探索するパズルやアスレチック要素満載のメトロイドヴァニア

本作は女戦士エウロパを操作して城を探索していくメトロイドヴァニアです。レベルや装備といったRPG要素はないため、メトロイド寄りのゲームデザインになっています。

まだ発表当初はここまでドットではなかったのですが、歳月を経てゴリゴリの美麗ドットに変化し、その時よりも豪華で明るくなったこともあり、色を失う、色が戻るというストーリーラインを感じやすくなっているように思います。

ゲーム内容はオリジナルの要素が入っているオーソドックスなメトロイドヴァニアといった印象。城を探索しアイテムや探索スキルを獲得して探索範囲を広げていきます。

オリジナル要素としては相棒のクマのぬいぐるみこと幽霊であるアピノの力。エウロパはアピノの力により体力とは別のシールドゲージを持っており、そのゲージが空にならない限り体力にダメージを受けません。

ただ、シールドゲージは敵からダメージを受けるだけでなく、敵にダメージを与えたり特定の扉や仕掛けを作動させたりする魔法の球を発射することでも消費していくため、結構な頻度でゲージが空になります。

しかし、ゲージが空になった状態で特定のボタンを長押しすることで、アピノを抱きしめゲージを回復させることができます。回復まで少しかかりますが何回でも使用可能なため、こまめに減ったら回復を行えば、ゲージが尽きることはありません。

また、本作では3種類の鎧が登場します。鎧によって属性や特性が違い、探索やボス戦にも影響します。この点については良かった点で詳しく説明できればと思います。

ちなみに本作は音楽の力が重要な要素となる世界観のため音楽にも力を入れており、作曲にはメトロイドヴァニア本家の一つであるドラキュラシリーズを手掛けた山根ミチル氏や、メタルギアシリーズのBGMを担当した日比野則彦が楽曲を提供しています。

良かった点

探索やギミック攻略、バトルに役立つ3種類の鎧

鎧は探索や核エリアでのギミック攻略、そしてボスとのバトルにも重要な役割を果たします。鎧は水属性、土属性、火属性と3種類あり、鎧ごとにスキルが違います。ちなみに鎧を纏っていない通常時は雷属性になります。鎧は自由に切り替え可能です。

まず水属性は人魚に変身して水中を泳ぐことが可能になり、フロア内にある滝も登ることができます。足場が邪魔で向こうの水中に移動できない場合は、水中から勢いよく飛び出すことで、魚のように足場を飛び越えて向こう側の水中へ行くこともできます。

土属性では地面や壁にある特定の道をモグラのように進むことができたり、火属性では特定のエリアで浮遊することが可能で、さらに体から爆風を放つことでさらに上へと進むことができます。ちなみに爆風は敵にダメージを与えることも可能です。

また、本作には特定の鎧がないと踏み込めないエリアも存在し、毒が充満する毒フロアは土属性の鎧、熱気舞う炎エリアでは火属性の鎧を所持していることで継続ダメージを無効化できます。しかも所持していればフロアに入ると自動的に鎧を切り替えてくれるので便利です。

また、前述した通り鎧はバトルでも重要です。敵の中には体の周りに特定の色を纏った奴もいます。色は属性によって違うため、色に対応した属性で攻撃をすると与ダメージがアップします。

中には特定の属性を持つ盾でこちらの攻撃をガードする敵もいるのですが、対応した属性で攻撃してやると盾を貫通して敵にダメージを与えることができます。しかし、敵の中にはこちらの攻撃が一切効かない敵もいます。そんな時はアピノの魔法攻撃を当てましょう。

ただのバトルじゃないギミックのあるボス戦

本作には様々なボスが登場するのですが、ボスによってはただバトルをするだけではなく、ちょっとしたギミックのあるバトルが楽しめるようになっています。

一部ボスに限られる内容ではあるのですが、水の鎧の力で水の中を駆け巡りながら戦うボス戦や、敵の攻撃を土の鎧の力で地面に潜ってかわしたりなど様々です。

中にはそれぞれの属性を切り替えて攻撃しないとダメージを与えられないボスなんかもいて、いつもとは違ったボス戦が楽しめて良かったです。

また、隠しボスとして音に関係したギミックで戦うボスなんかもいるので、プレイした際はぜひ探してみてください。

気になった点

全体的にバトルが単調

本作はゲームそのものは悪くないんですが、全体的に物足りない印象が強いです。属性を切り替えて攻撃したり、ギミックのあるボス戦は良かったのですが、基本的なバトルは通常攻撃とため攻撃だけになるためとても単調です。

まだ発表時の時は敵の攻撃を捌いたり、飛び道具を弾いたり、様々な攻撃バリエーションがあったはずなのですが、そのあたりはすべて撤廃されているようでした。

過去にあったほとんどのアクションを撤廃する必要はなかったんじゃないのかなとか、属性で何か特殊攻撃があっても良かったんじゃないかなとか、物足りなかっただけにそんなことを思いました。

強化要素が薄くやりごたえがない

こちらも物足りない点の一つです。本作では体力やシールドゲージの強化、鎧の強化が主な強化要素になります。

しかし、鎧を強化してもアップするのは属性攻撃力のみ。スキルやアクションの強化は一切ないため、強化要素が非常に薄くやりごたえがないと思ってしまいました。

世界観や各種要素が良かっただけに非常に物足りなかったです。せっかくの鎧も探索スキルのみというのは非常にもったいない感じがしました。「もっとこうあるだろう」と、声を大にして言いたいレベルです。

まとめ

ここが良かった
  • 探索やギミック攻略、バトルに役立つ3種類の鎧
  • ただのバトルじゃないギミックのあるボス戦
ここが気になった
  • 全体的にバトルが単調
  • 強化要素が薄くやりごたえがない

世界観や音楽、各種要素は良かっただけに全体的に物足りない感が強い印象になってしまった作品です。

ただ、決しておもしろくない訳ではないので、世界観や音楽が気になる方、アスレチック満載のステージが好きな方、ちょっと変わったギミックのボス戦をやってみたい方は一度プレイしてみてください。

という訳で今回はこの辺で。
また次回!

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